購買発注承認はワークフローの話として扱われがちですが、SAP では具体的な設定とシステム動作の問題でもあります。承認が効かない、誤った戦略が選ばれる、変更後に再承認されないといった問題は、細部から生まれることが多いです。
どの項目が承認戦略を決めるか
標準の購買発注リリース戦略では、主に CEKKO のヘッダ項目を使います。会社コード、購買グループ、購買組織、発注タイプ、税抜金額、サプライヤー、インコタームズ、プラント、品目グループ、購買バージョンなどです。必要に応じて拡張項目を追加できます。
明細項目を使う場合は、集約ロジックを理解する必要があります。例えば全明細が同じプラントなら、そのプラントを戦略に使えます。複数プラントが含まれる場合、システムは空白値を渡し、空白値で戦略を検索することがあります。
また、表示値ではなくデータベース上の値を使う点にも注意が必要です。原価センタ、品目番号、バージョン、サプライヤーでは前ゼロが必要な場合があります。明細カテゴリも外部コードではなく内部番号が必要なことがあります。
戦略が期待通り動かない理由
実務的には、CL20N や CL30N で分類値から正しく一意の承認戦略が見つかるかを確認します。多くの問題はワークフローではなく、クラス割当や特性値、設定の不一致から起きます。
承認後の変更が難しい
発注が承認された後、変更できるのか。変更できるなら再承認されるのか。再承認される場合、どの項目やどの状況が対象なのか。この部分が多くのプロジェクトで問題になります。
SAP は Changeability によってこの動作を制御します。標準では、金額増加、項目変更による新しい承認戦略、発注がすでにサプライヤーへ出力されたケースを区別します。
例えば、発注総額が増えると再承認が発生することがあります。購買グループを変更しても同じ承認コードなら承認状態が維持され、別の承認コードになる場合は戦略がリセットされることがあります。
出力後は意味が変わる
発注が正常に出力されたということは、印刷、メール、EDI でサプライヤーに送信済みである可能性があります。この状態での変更、承認取消、再承認は、出力前とは業務上の意味が異なります。
出力状態を無視すると、正当な変更がブロックされたり、サプライヤーに送信済みの発注が十分な統制なしに変更されたりします。標準の Changeability を使う場合もあれば、納期、支払条件、数量、保管場所などの変更を設定で再承認条件にする拡張を使う場合もあります。
購買発注承認は、誰が何段階で承認するかだけではありません。どの項目が承認を決め、どの変更が承認をリセットし、サプライヤー送信後にどう統制するかが重要です。